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オーディオの最近のブログ記事

TCK-1KHZ.jpg先日修理したカセットデッキ、SONY TC-K555ESLの調整。
正式なリファレンステープは持っていないので、手元にあるデッキの中で一番信頼できると考えられるTC-K333ESLで録音したテープを使う。

まずは測定用テープ作り。
パソコンにインストールしてあるWaveGenからオーディオインターフェイス(EDIROL FA-101)~ミキサー(YAMAHA)~アンプ(AU-9900)経由でデッキへ正弦波を送って録音。新品テープをつかい、ドルビーはOFF。レベルは適当で良いんだろうけど0dbで。何種類かの周波数を1分程度づつ録音しておく。

出来上がった測定用テープを555ESLに入れ、今度は逆ルートでパソコン上のWave Spectraに送る。で、表示されたリサージュ曲線が写真の通り。
これは1kHzで測定しているところ。これが一直線に右上がりの45度になれば良いのだが、なかなかふらつきがあったりして難しい。この辺で妥協する。
ちなみに315Hzくらいだと一直線になるが、8kHzだと若干楕円が開き気味。まぁ我慢できる範囲内でしょう。


TCK-WOW.jpg次にワウフラッターの確認。
使用するのはKENWOODのFL-180という測定器。だいたい0.022%~0.025%というところで、何とかカタログ値程度は保っているのが確認できたのでオシマイ。

上記作業で333ESLと555ESLのテープスピード差もほぼ無いのも確認できた。さすが同年式のダイレクトドライブモーター同士というところかな?
マニュアルによるとほんとはもっとたくさんの調整ポイントがあるんだけど、売り物にするわけでもないしね。これでしばらく安心して使えるでしょう。

ジャンクによるジャンクのための素人調整、の巻き。
でした。(お粗末)

カセットデッキはすでに8台あるし、TC-K333ESLで結構満足はしていたんだけどやはり「銅メッキ」に惹かれてついジャンクを落札してしまいました。1990年発売、99,800円だそうで。


tck555esl-3.jpg底板まで施された銅メッキ!貫禄ですねぇ。しかもインシュレータは鋳鉄製。底板だけでも結構ズシリとした重みがあります。メカベースも分厚い金属(アルミ?)板で徹底した制震が施されています。

状態は「早送り/巻き戻しはできるが再生不可」というものでしたが、これは以前333ESLで経験済みなのでどこが悪いかも予想ができます。分解前にソニーSSでキャプスタンベルトとモードベルトを手配しておきました。
分解すると案の定モードベルトのスリップです。本来ならピンチローラーを外し、モーターベースを外して交換するのですが、テープパス調整が必要になるので前回同様ベースと基盤を緩めて隙間から交換しました。ついでにキャプスタンベルトも交換。モーター基盤の面実装コンデンサ2個も液漏れしていたので交換。もとは16V10μFですが、25Vにしました。場所的にはフライホイールの内側なので、あまり大きいものやリード式のコンデンサだと注意が必要です。
その他電源部などのコンデンサやダイオード、リモコン受光部などは問題なかったのでそのまま。
フロントパネルをオフィスクリーナーで掃除し、メーター/カウンターの窓とカセットホルダーのアクリル部の傷を仕上げコンパウンドでピカピカに消します。

tck555esl.jpgウッドパネルも大きな傷もなく、とってもきれいな良い状態です。昔録音したアレックス・デ・グラッシのテープをかけてみましたが、耳を澄ませばかすかに聞こえるヒスノイズを気にしなければ「これカセットの音?」というくらい、レンジの広いクリアーな音でした。
といっても基本的には333ESLと区別付きません。若干555のほうがパワフルな感じかな?まぁ気のせいでしょうね。


カセットデッキ修理は楽しいしデッキそれぞれに音にも構造にも個性があって面白いのだけど、冷静に考えれば自分の人生でこれ以上の数のデッキは不要です。
これ以上の増殖はちょっと控えようと思います。

lhopkins.jpg1912年3月15日、テキサス州ヒューストンの北センタービルで生まれ、1982年1月30日、ヒューストンで癌により永眠(ライナーノーツより)。
1960年晩秋にニューヨークでレコーディングされた一連の曲は一聴の価値ありである。

CDP-557ESD~AU-9900(プリ)~6BM8超三極(パワー)~SP-3005という組み合わせで聴いているのだが、これが最近富みに豊かな音色を聴かせてくれている。「Conversation Blues」などはまるでそこで彼がギターを弾いて歌っているようなリアルさで鳥肌ものだ。

彼こそが本物のブルーズマンである。

→Amazon:The Very Best of Lightnin' Hopkins

kt-1010.jpgKENWOODのFMステレオチューナー、KT-1010Ⅱを入手した。メーターランプが切れていたジャンク品である。確認すると4mm径の麦球だった。負荷なしの状態で10Vかかっているので12Vのものを買ってきた。ケーブルと基板接続のツル巻き端子をはずすのが面倒だったので途中で継ぎ足して熱収縮チューブで保護しておいた。
純正より若干暗いようだが、元がちょっと明るすぎなので丁度いい感じだ。LED化も考えたんだけど、やはりこの暖色系の照明のほうがほっとする感じがするのだ。

うちはケーブルテレビのFM再送信を利用しているので写真の80.5MHzがTOKYO FMなのだが、「ジェット・ストリーム」のテーマ曲(チェロとバイオリンによる「ヘイ・ミスターロンリー」)はものすごく透明感があるいい音で、もうドキドキものである。
FMってこんなに良い音だったんだね・・・・

pt-27.jpgさてFMといえば忘れられないのがもちろん「エア・チェック」。
昔はFM FanとかFMレコパルとかの番組表をマーカーで真っ赤にしてエアチェックしたものだ。当時はNHK-FMとFM東京の2局だけだったが最近は局も増えてうちの環境でも8局受信できる。しかしながら最近の番組はみんなDJ化してしまってエアチェック意欲がなかなか湧かない。昔ながらの構成を残しているのはかろうじてNHK-FMだけなのがなんともさびしい。
それでも以前カセットテープだったデッキも今はDATで2時間一気録りできるので、近所のハーッドオフでSONYのPT-27というタイマーを買ってきた。ソニータイマーである(w

通販でDATテープも50本ほどまとめ買いしてしまったことだし、これからマメに番組表をチェックしてエアチェックに励もうと思うのだ。

先週調整したばかりだが、たまたまサービスマニュアルが手に入ったのでこの機会にきっちり調整してしまおう。
マニュアルによるとまずはB電源の電圧を調整し、その後オシロスコープで調整するらしい。ところがいきなりB電圧がひどい値。調整範囲はDC23V±0.5Vなのだが、実測値で36V!半固定で調整しても30Vまでしか落ちない。これは間違いなくどこか壊れてる証拠。
さらに数箇所調査した上でツェナーダイオードが犯人とアタリをつけ、念のため電源周りのトランジスタ、整流用ダイオードなどもいっしょに会社帰りに秋葉原で調達してきた。 @秋月、若松、鈴商、丹青、マルツ。帰宅後に早速ツェナを交換したところ、無事23Vに調整できた。

QL-5_1.jpg次にオシロを使用してサーボロックの調整。写真の通りロックオンされました(って、見てもわかんないですかね)。
それにしてもKA-7002のときもそうだったけど、ツェナーダイオードって結構はかないもんですね。というわけで今回も修理にかかった部品代は30円でした。

予備の半導体は一通り入手したし、これであと10年は使えるかな?

QL-5.jpgクォーツロック式ダイレクトドライブのマニュアル機。30年位前に中学生のころ新品で購入したアナログレコードプレーヤーである。価格は覚えていないが、中学生のお小遣いで買えたくらいだからそれほど高い機種ではないはず(それでも買ったときはものすごくうれしかった・・・)。

 →その後の調べで、1977年発売、55,800円でした。

先日買ったLPレコードを聴こうと久しぶりにプ動かしたら回転数が狂っていた。回転がロックできていないようで、45/33回転ともにストロボが微妙に流れてしまう。埃もたまっているしカバーもずいぶん汚れがこびりついているのでこの際綺麗にしてしまおう。

裏返して底板をあけると割とシンプルな基板が現れた。マニュアル機なので余計なモーターや制御回路がないのが幸い。クリスタルを確認すると9.5040という表示。交換を覚悟しつつ、「33」「45」という表示のある2つの可変抵抗をいじってみたらあっけなく調整できてしまった。
念のため2時間ほど回転させたあと再調整し、ストロボが完全に停止していることを確認して調整完了。アクリルカバーをバスマジックリンできれいにし、ボディをきれいに拭き、アームとシェルの接触点をアルコールで磨いてすべて完了。ローズウッド系(ハカランダ?)の木目が美しい!
写真の針は昨年買ったオーディオテクニカの安いものだが、一応手持ちはシュアのV-15 Type4とDENONの定番中の定番、DL-103。

CDが出たときはまったく無音から曲が始まることがすごく画期的なことに感じたものだが、アナログLPを聴くと針をおとしてから曲が始まるまでのノイズがなんとも懐かしい。これから音楽が始まるぞ、という期待感を抱かせてくれるのだ。
とはいってもいつもアナログで聴くのも煩わしいときがあるのも確かなので、これからちょっとづつデジタル(DAT/MP3)化しておこうと思う。

DJ-X8用のイヤホンを探しに100円ショップのダイソーへ行ってみた。モノラルなので安いやつでも良かったのだが、バイクのヘルメットを被っても落ち着きが良いカナル型が欲しかったのでちょっと贅沢して840円(税込み)のやつを買った。家に帰ってためしにiPodで聴いてみたらこれが思いのほかまともなので驚いた。多少ドンシャリな傾向は否めないが、低音が十分伸びて非常にレンジが広い印象。
通勤音楽用に買ったオーディオテクニカのATH-CK32と比較してみたのだが、オーディオテクニカ、完敗です。ダイソーと比較すると、大げさに言えば電話を通して音楽を聴いているかのようなダイナミックレンジの狭さがはっきりわる。

データ的なことは何も調べていないけど、これから数千円のカナル型ヘッドホンを買う予定があるのならだまされたと思ってこれを買ってみてほしい。
高音質カナルヘッドフォン「風(KA-ZE)」というモデルだ。

DTC-77ES_1.jpgまたもやぽちっとしてしまったDATデッキ、SONY DTC-77ES。1991年頃、16万円の機種だそうです。
外観は傷もなくてきれいだし、中も埃もほとんどなくてきっと良い環境で使われていたんでしょう。4D.D.メカのおかげで余計なギヤがないので、それに伴うよくありがちなグリス固着もなく早送り・巻き戻し・再生の動作は問題ありませんでした。

DTC-77ES_2.jpgところが再生してみるとDAT特有のデジタルノイズが出ます。まぁジャンクですから。オシロスコープでテープパスを調整しました。リファレンステープを持っていないので手持ちのテープ複数本でチェックする簡易的調整しかできませんが、まぁ気休めにはなります。
とりあえずノイズも消えて再生も問題なくなりました。





DTC-77ES_3.jpgSONY高級機の証、銅メッキシャシです。アナログとデジタルでトランスが分かれているのもお約束ですね。

音のほうは割とさわやか系な感じ。分厚い感じの音がするDTC-1000ESとはちょっと違いますが、アブソリュートタイムが使えるのはやっぱり便利です。
今後は録音は77ESで、再生は1000ESで、と使い分けようかと思います。

C-3RX_2.jpg以前修理したTEAC C-3RX(そのときの記事はこちら)が、巻き戻し/早送りでスリップするようになってきた。アイドラーのゴムが硬化していたので応急処置したのだが、どうやら交換が必要らしい。
ティアックに問い合わせてみたところ角リングだけの販売はなく、プーリアッシとなるらしい。お値段は送料込みで3000円以上。(ちなみにC-2などと共通部品で、パーツ番号は「5504808001」 2478円)
最終的には純正に勝るものはないのだが、それでは面白くないので(というか、¥高過ぎ)、さっそく心当たりのアイテムを探しにホームセンターへ。
探したのは水道周りの補修パッキン。丁度いいものがあった。
(株)三栄水道栓製作所の「補修ユニオンパッキン」No.12。内径17mm、外径22mm、厚さ2mmのものだ。ちなみにはずした部品の実測値は、内径17.8mm、外径22.6mm、厚さ2.5mm。はめてみるとピッタリ。ちょうど2個入りで138円でした。
ただし水道パッキンは外周が若干斜めになっている。念のため同社の「補修Oリング」No.18というものも買っておいたのだが、実際に組んでみたら角リングでまったく問題なく動いた。
ついでにパネルをはずしてバスマジックリンで掃除し、以前購入しておいたカウンターベルトも交換した。

3000円かかるところを138円で修理できたわけだが、こういうところもジャンク修理の醍醐味ってところでしょうか。
完成したデッキは28年前のものとは思えないきれいな状態でバッチリいい音を聴かせてくれています。
VUメーターではなく、針式のピークメーター、ってところがGoodです。

dtc-1000es-1.jpg「物置から懐かしいものを発掘しました。」というジャンクを入手。DTC-1000ESはこれで2台目です。(1台目の記事はこちら
ごみテープで動作確認すると、ローディングまで動作した後にCAUTIONの文字が出てイジェクトされます。まぁおよその察しはつきます。

ふたを開けてフロントパネルをはずし、カセコンもはずします。案の定ロータリーエンコーダが割れてました。さらにローディングポストも固着しています。
裏返して裏カバーとメカ部下の基板をはずし、キャプスタンモーターもはすします。キャプスタンモーターは表側から小さい3本のビスで固定されています。キャプスタン軸(ローテータ)をはずす必要はたぶんありませんが、もしはずす場合はプラスチックのワッシャをなくさないように注意。
モーターをはずし、ローディングポストの軸に洗浄液を一滴ずつたらしながら少しずつ動かしてそっと引き抜きます。外れたらアルコールで洗浄し、薄くモリブデングリスを塗って組みなおし。表側のスプリングが外れているはずなので元に戻します。これですこすこに動くようになりました。
裏側を元に戻した後はロータリーエンコーダの交換と調整。カセコンを外にどけた状態で微調整します。内臓むき出し状態ではありますが、ジョージ・ウィンストンの気持ちよいピアノソロがヘッドホンから流れてきました。
すべて元通りに組みなおして完成。ピンチローラーは一度交換したようでほとんど新品状態、ロータリーエンコーダは在庫を使ったので費用0円でした。

dtc-dtc-cdp.jpgこのデッキも傷はほとんどなくとても20年選手とは思えない良い状態ですが、フロントパネル裏の例のダイオードは改造されておりました。44.1kHzは使う予定ないのでどっちでもいいんですけどね。
上から1台目のDTC-1000ES、真ん中が今回修理した2台目DTC-1000ES、下が先日入手したCDP-557ESD。もちろんすべて動態です。
この3台で当時定価は合計58万!現役ではとても買えませんが、実力いまだ一級品のこういう機材が数十分の1の費用でそろうわけですから良い時代なんだろうね。

6bm8-4.jpg久しぶりにカンナを取り出し、手持ち在庫のパドゥークという木を使ってフロントパネルを作ってみました。。塗装は面倒なのでまだですが・・・
底板は通気のために10mmの穴をたくさん開けてインシュレータをつけて底上げしました。

相変わらず瑞々しい音楽を聴かせてくれています。

CDP557.jpg1987年発売 \180,000

とにかく重いです。CDプレーヤーなのにプリメインのAU-9900より重い。18kg以上。異常。
CDプレーヤーは同時代のTechnics SL-P990が新品購入以来20年近く無故障で気に入って使っている。こちらも重量級だがCDPはさらに6割増というのだから、やっぱり異常だとおもう。まあ値段的にSL-Pの約9万に対しCDPは倍の18万だから妥当と言えば妥当なのか??
とりあえずつないでみたところ問題なく動いているようですが、お決まりの御開帳といきます。

オーディオ機器の筐体としては珍しく、サイドウッドを外さずに上部の板だけ外すことができます。これ自体が数ミリの厚みがあり、内側には防震のフェルトが張り付いてます。そのほかの部分を見ても、徹底して防振/制振が図られているのがわかります。
cdp557-2.jpgそしてシャシは銅メッキ。個人的には萌えポイントです。トランスはアナログ用とデジタル用を分けてあり、コンデンサなどもオーディオ用の高級品が乱立しております。DTC-1000ESと同様、オーラが漂ってます。

音のほうはまだちゃんと聴き比べていないので何とも言えませんが、第一印象としては「SL-P990も結構健闘してるじゃん」ってところでしょうか。つまり期待したほどには違いが感じられないというのが正直なところです。でも「イルカ・ライブ」のアコースティックギターの音(誰だろう?石川鷹彦ぽいけど)は結構イイ線行ってます。(このライブは'76年の録音というから、もう30年以上前ですね...)

おいおいいろいろなソースで比較してみようと思います。

6bm8-1.jpgついにオーディオアンプを作ってしまった。しかも真空管である。
例の如くきっかけはすでに忘却の彼方であるが、「超三極管接続」という特殊な回路のアンプがえらくいい音を出すらしいという情報をネットで見るにつけ気にはなっていた。その「ウズウズ」が飽和状態になってきたところで一気に作ってしまったというところだ。

とはいえ部品手配開始から音出しまで2ヶ月近くかかっていると思う。まぁ初めての経験だからしょうがない。
超三極管接続というとかなり複雑な回路に聞こえるが、実は回路そのものは非常にシンプルなのもである。いろいろなサイトで情報を仕入れ、ダイオード整流/FET初段(2SK30A)とした。トランスはすべてお手頃価格の割に評判が良い東栄変圧器を選択。出力トランスはシンプルにしたかったのでシングルに。その代りよくあるT-850より余裕のありそうなT-1200にした。まぁ気分の問題です。コンデンサはまともに買うとすげー高いので、若松で400V560μFの特価品を2本購入。シャシはリードのP-11。ちょっと大きめだけど初めてなので余裕をみた。
肝心の6BM8真空管はエレハモにしたかったんだけど、ラジオデパートでほかの部品と一緒にTRONALを購入。単なるものぐさなだけである。
# それにしてもラジオデパートや高架下のラジオ会館、ラジオセンターなどは何度行っても「でーぷやなぁ~...(溜息」の世界である。

まずはシャシの上に主だった部品を並べて配置を考え、必要な穴をあける加工である。美しい配置もさることながら、内部の配線も考慮しなければいけない。バランスがいいと思っても、入力ピンの近くに平滑コンデンサがあったりするのはさすがにヤバい。結局先人達の配置を参考にごく普通の配置に落ち着いた。加工に関しては卓上ボール盤もドレメルルーターもリーマーもやすりも所有していたので苦労はさほどなく完了。東栄トランスは四角い大穴を開けなくて済むので楽なものである。
加工をしながらスペース的余裕のあるシャシを見ているうちに、ふと思いつきでヘッドホンジャックとスピーカー2系統切り替えも欲しくなった。はっきり言って邪道であろうが、便利さには代えられない。結局1段4回路3接点のロータリースイッチを入れることにする。「A/B/Off(ヘッドホン)」である。内部配線がかなり増えるのでエクステンションを使用してスイッチ自体は後方へ配置した。余計な接点を増やしておきながらこんなことに気を使うのも何なんだが、OPTトランス~スピーカー端子のケーブルにはベルデンを使用した。ヘッドホン端子にはアッテネーターとして390Ωの抵抗などをいれた。ちなみに入出力端子はすべて金メッキである。(むふふ。
6bm8-3.jpg電源周りの配線後にチェックしたときなかなかB電源の電圧が下がらないのに閉口し、150kΩ5Wのブリーダー抵抗を付けることにする。暫定的に280Vとすると約1.9mA流れて0.5W消費する計算になるが(あってますか?)、いつまでも電圧が残るのも危険だし。合計1120μFのコンデンサ容量も結構バカにできないものである。(もうちょっと少なくてもよかったかも....)
それ以外の配線はざっくり書いた実態配線図を元にいい加減に行ったので結構ぐちゃぐちゃである。とても写真をお見せできる状態ではないので割愛するが、一点アースだけは守るようにした。
それにしても300V近い電圧を扱うのって緊張するのね.......

すべての配線を終え一通りチェックを行った後、おごそかに真空管を差し込む。
半固定抵抗を絞った状態にしてB電源とカソード抵抗両端に2個のテスターをクリップでつなぎ、いよいよ緊張の火入れである。どきどき。

はたして煙を吹くことも焦げ臭いにおいを出すこともなく(もちろん何も爆発せず)無事に真空管に火が灯った。
カソード抵抗の両端電圧が左右とも40Vになるように半固定抵抗を調整し(1kΩだから40mAね)、一旦電源OFF。負荷がかかっているのでB電圧もほどなく落ちていく。もしかしたらブリーダー抵抗要らなかったかな?
今度は入力にSANSUI AU-9900のプリアウトを接続し、テスト用スピーカーを繋ぎ、再び電源ON。しょぼいスピーカーから「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」の音がほとばしり出てきたときは結構感激しました。なんかいい音なんじゃない?
そしていよいよスピーカーをメインのSP-3005に繋ぎなおしてみると・・・・


何といえば良いんでしょう。。。 一言でいえば、「生々しくて、聴かせる音」。


コルトレーンの『A Love Supreme (Live)』の2トラック目のベースソロなどは、まるで目の前でJimmy Garrisonがアップライトベースと戯れているかのようなリアルさで、思わずハッとしてしまうほどである(ちと大袈裟かな?)。もちろんコルトレーンのサックスの音色も艶やかで絶品だ。アルバム『Blue Train』のジェットコースターのように上下する旋律も見事に聴かせてくれた。

映画『Crossroads』のサウンドトラックアルバムでは、「Somebody's Callin' My Name」の男声コーラスは鳥肌もの。そしてライクーダーによるスライド・ソロギター「Feelin' Bad Blues」では、黒人の老ブルーズマンのウィリーがランニングシャツ一枚でグラスを傾けるシーンが浮かんでくるようだ。


    Lots of towns... Lots of songs... Lots of women...
    Good times... Bad times...
    Only thing I wanted anyone to say is...
    'He could really play... He was good'.


他にもキャロル・キングエミルー・ハリスなどの女性ボーカルも良いし、試しに聞いてみたTOTOの「ロザーナ」ではAU-9900よりずっとタイトでパンチのあるビートを聴かせてくれる。真空管ということでなんとなく「まるい音」というイメージがあったのでちょっと意外だが、立ち上がりも非常にいいのかもしれない。
ちなみにこの音はヘッドホンで聴いても健在だ。大きめの平滑コンデンサが幸いしたかハムノイズも全く聞こえてこない。


もちろんほんの数ワットしかないシングルアンプだからいい気になってボリュームを上げすぎると歪んでしまうのだが(この辺は要調整箇所である)、少なくとも一般的な住宅地の部屋で常識的+αまでの音量で音楽を楽しむ分には全く不足は感じない。
「素人が初めて作るアンプだし、どうせノイズやなんかでそれほど使い物にはならないだろう」程度のノリで作ってみたものの、なかなかどうして、実はものすごくいい出来なのではないかと思う。少なくともしばらくはトランジスタのアンプに戻る気は起きないだろう。

悪い性癖で「次は2A3あたりで・・・」なんて思ったりするが、まずはこいつを仕上げてからだ。
ローズウッド系で木目を生かしたフロントパネルでも作ってみようか? とか、トランスの高圧端子がむき出しで危険なのでパンチングメタルでカバー作らないかんなぁ、とか考えながら、夜中に部屋の照明を暗めにして真空管にほんのり灯る明かりを見ながら聴く沢田聖子の『坂道の少女』は実に萌えるのである。(w

・・・・・

6bm8-2.jpg

tck333esl-1JPG.jpg2週間前にハードオフで見つけた、早送り・巻き戻しはOKで再生できずというジャンク。カセットデッキをこれ以上増やすのも気がひけたのだが、ずっしりと重いので(重いというだけでいい音がしそうな気がするでしょ)とりあえず購入。
持ち帰って調べてみるとピンチローラーがキャプスタンまで上がっていない。どうやらモードベルトがスリップしているようなので交換します。

tck333esl-3.jpgモードベルトは写真の中央にあるスプリングの右側の直径3cmほどの細い輪ゴムなのですが、これを交換するのは結構面倒くさい。本来であればピンチローラーを外し、アルミダイキャストのシャシを外すというメカ全バラ状態にするんでしょうけど、そこまでするとテープパスの調整もしなければなりません。面倒なのでモーター基盤を浮かせて、隙間から輪ゴムを通す作戦で何とか交換終了。ついでにキャプスタンベルトも新品に交換。

とりあえずフロントパネルとメカコントロール系の配線を接続し、再生も含めてすべての動作に問題がないことを確認した後組み立てます。
ちなみにこのデッキはよくあるデッキのように物理的なスプリングの力でイジェクトするのではなく、CDやDATのようにモーターの力で蓋の開閉をします。つまり電源を入れないとカセットの取り出しもできないってことです。そのかわり、カセットを入れた後に再生ボタンを押すだけで勝手に蓋が閉まってくれます。なかなか凝ってます。

完成~。
早速ヘッドホンで音だしチェックしてみて、そのクリアで力強い音にびっくり。
1990年に定価79,800円だったというから決して高級機ではないんだろうけど、カセットの実力を見直したといっても言い過ぎではないくらい。アコギの音にも透明感があり僕の好みにぴったりという感じです。

このデッキは本来付いているサイドウッドがありませんでしたが、それ以外は傷もなく、非常にきれいな状態でした。動作もきびきびしている割にガチャガチャうるさくないし、場所ができたらメインシステムに組み込みたいと思います。
こうなると上級機の555や777も聴いてみたくなりますが、目下別のプロジェクトが進行中なのでチャンスがあればおいおい、ということで。

tcd-d8.jpgDATデッキをいじりだしてから、「どうやってこの回転ヘッドやローディング機構をポータブルサイズに収めているんだ??」という疑問がわいたのでさっそくジャンクを入手。
届いたものはアンローディングでふたが開きにくく、何とかテープを入れても認識しないという状態。デッキのように中の状態が把握しにくいのでふたをはずしてみると、ガイドポストがぐらぐらで外れかかっていてスプリングもひっくり返っていた。これをちょちょっと直しただけであっけなく復活してしまいました。
クリーニングテープを軽くかけてDTC-1000ESで録音したテープをかけてみたところ、美しい音を聴かせてくれました。

TCD-D8はSCMS対応で1996年発売、77,000円だそうです。
ちなみに入手したのは取説・キャリングケース・ACアダプター付のジャンクで500円でした。

肝心の機構についての疑問ですが、なんてことはない、見慣れたDVカムとほとんど同じじゃんって感じでした。
まぁ、あたりまえっちゃあたりまえですが、それにしてもこういう「限られたスペースに詰め込む」日本の技術ってすごいなと、改めて畏敬の念を抱かされました。

とりあえずトレー開閉はできるようになり、テープを入れるとCAUTIONになる状態。まずはロータリーエンコーダを疑います。
dtc1000_2.jpg300ESや55ESはふたを開ければ見えるところにありますが、1000ESはカセコンを外す必要があります。フロントパネルを外してカセコンのネジ4本とコネクタ1個、アース線のネジ1本を外せばあっさり外れました。

案の定ギヤが割れていました。下が壊れたもの、上が交換する対策品です。
このギヤは経年で割れるように(ウソです)2つの小さな穴が空いています。対策品には穴の痕はありますが貫通してはいません(なぜはじめからそうしない?)
交換には55ESなどと違ってはんだ作業が必要です。ちなみにこのギヤを接着剤で直そうとしても素材的に接着しないので無理です。瞬間接着剤はギヤを溶かします。もしやるならはんだごてで溶着するしかありません。


dtc1000_4.jpgピンチローラーも一部プラスチックのように硬くなっていたので新品に交換します。ベアリングが入っているそうで、ちょいとお高め。
左が外したもの、右が新品、その上の白い小さな部品はピンチローラーを止めているストッパーです。なくさないように気をつけながら交換します。はずす際にピンチローラーの頭にマスキングテープを張っておけば吹っ飛ばすことは避けられます。

カセコンを横にどけたままテープを手で押さえて動作チェックしたところ、ピンチローラーがキャプスタンに届いていなかったのでロータリーエンコーダーの位置を微調整。これで再生、早送り、巻き戻しともOKになりました。

dtc1000_3.jpgシャシは分厚い銅メッキが施され、基板上には高価なオーディオ用コンデンサがふんだんに使われています。めちゃくちゃ金かかってるどーというオーラが漂ってます。
トランスも大きくてボディに収まらず(?)後ろに張り出しています。電源部も「これがデッキ?」というくらい立派。平滑コンデンサはアンプ並みの10000μF!
肝心のA/Dコンバータには世界中のレコーディングスタジオで使用されている業務用と全く同じものがつかわれているそうです。またドラム制御,キャプスタン制御,両リールモーター制御に専用モータが使用される4DDメカで動作も静かでキビキビしてます。さらにトレー用に2つのモーターを使用し、合計6個のモーターがつかわれています。(とはいってもトレー用のは昔懐かしいマブチモーターとそっくりです)

dtc1000.jpg完成です。
CDからアナログで録音/再生してみましたが、59ESと比較するとかなり音が分厚くて「オーディオ的」って感じがします。
テープパスはリファレンスとなるテープがありませんし、オシロは持ってますがやり方もわからないので今回は触らないでおきます。

部品代1,700円で20年前に20万円ととても高価だった機材がよみがえりました。

DTC-300-55.jpgいまさらS-VHSに続くいまさらシリーズ第2段です。
ヤフオクでゲットしたジャンク2台。SONYのDAT、DTC-300ES(1989年、¥110,000)とDTC-55ES(1990年、¥98,000)です。実はさらにDTC-55ESがもう一台あります。
軽くチェックしたところ300ESはヘッドが固着して回りませんので部品取り、55ESの2台はヘッドアンプとロータリーエンコーダーをごにょごにょすれば何とかなるかな、というところです。

とりあえず55ESのエンコーダを交換してピンチローラーをキャプスタンに押し付けるツメのグリス固着を取り除いたところ、テープローディングまでは何とか正常に動くようになりました。この時点でメカ部はかなりばらしてますが、DATデッキってカセットデッキには無いメカメカしさが面白いですねぇ。「ウィ~ン、ウィ~ン、カシャッ。ジー・・・」とテープをローディング/アンローディングする様子は男の子心をくすぐります。
カワイイ・・・・

dtc1000-1.jpg調子に乗ってSONYのDAT1号機、DTC-1000ES(1987年、¥200,000)も入手してしまいました。まだDATの規格(デジタルコピー関連)が統一される前の通称「懇談会」仕様ですが、わざわざデジタル音源をDATにコピーする気はないので問題なし。
中を見たところ、銅メッキのシャシにMUZE、DUOLEXといったオーディオ用コンデンサ満載、電源部もデッキとは思えない立派さで金かかってます。状態は「電源ONでウイーンウイーン唸るだけでトレー開かず」というジャンクでしたが、とりあえずトレーのOPEN/CLOSEまではできるようにしました。テープを入れるとCAUTIONになるのでロータリーエンコーダかな?

dtc59-1.jpgすでに作業スペースはおろか足の踏み場もない状態なのに、SONY DTC-59ES(1993年、¥95,000)もゲットしてしまいました。一応ジャンクでしたが、美品+取り説+リモコン付きだったので。
置き場所がないのでとりあえず設置する、の図。

P1020271.jpgインフルエンザが治ったとはいえ、まだ多少節々が痛い。本日も大事をとって家の中でアンプ修理することにする(最近修理ばっかですな)。

本日はsansuiのAU-9900(2号)を仕上げます。すでに


  • 全基板を抜いてはんだ修正~フラックス除去クリーニング~コーティング

  • ほぼすべてのスイッチ類とボリュームを徹底的に分解掃除

  • 終段トランジスタにシリコングリス塗りなおし

  • メイン基板の怪しいコンデンサを交換


を行っており、先日1号と入れ替えてみたのですが、Lchからボツボツとノイズが出ていたのでまたメイン基板を抜いていたのでした。

昨年KA-7002修理の際にアドバイスいただいていた通り、初段~中段のトランジスタを疑います。 とりあえず2個ほどアタリをつけて「はんだシュッ太郎」で抜きます(すばらしく簡単!)。足を見るとオンボードでは落としきれなかった黒いヒゲが残っていましたので、きれいに磨いて再度はんだ付け。
テストスピーカーに繋いでみたところ、ノイズはきれいになくなっていました。「銀のヒゲ」伝説は本当だったわけですねぇ。
いや、疑っていたわけではないんですが、実際目の当たりにすると先人の偉大さが改めて思い知らされる気がいたします。
(「銀のヒゲ」については、「トランジスタ」などのキーワードと一緒にググってくだされ)


再度バイアスとオフセットを調整の後、1号と入れ替えて試聴。
「あら、なんか広がりがないなぁ。こりゃ失敗かなぁ。。。」と思ったら、単にModeが「L+R」になってました orz
normalにもどして再チェック。

いやぁ、はっきりいって・・・・ 違いがワカリマセン... OTL
まぁ同じモデルなので当たり前といえば当たり前なんですが。強いて言えば、低音の締りが多少良い? これからエージングして少し変わってくるのでしょうか、また変わったとして自分の駄耳で判別できるのでしょうか?
かなり怪しい気がしますが、とりあえず1号で気になっていた部分(ボリュームに触ると発振する)がなくなっただけでもだいぶマシになりました。(ボリューム0でLchに信号漏れがあるのはなぜか直っていませんが)。

今後は1号の分解整備をぼちぼち始めようと思います。

rimo.jpg明けましておめでとうございます。

大晦日までの4日間、実はインフルエンザで寝込んでいました。風邪だと思っていつもどおりひたすら寝て汗をかく作戦でしたが、厚着で布団に入っても一向に寒気が収まらず、布団乾燥機と添い寝しておりました。その後熱が出た娘が病院に行ったところ「A型ですね。お父さんもほぼ100%同じでしょう」ということで後でインフルエンザとわかった訳ですが。
まぁおかげで2kg体重が減りました。(60キロ台目前!)

そんなわけで元旦は7時前に起床。 昨夜夜更かししていた家族はまだ初夢の最中なので起こすわけにも行かず、結局やり始めたのがHDDレコーダーのリモコン修理。

分解してみると基板が真っ二つに割れてパターンが見事に切れています。 こりゃダメだと諦めかけましたが、あきらめた所で他にやることもないし、テレビ見てもたぶんつまらないし。 考えようによっては「切れたところを繋ぐだけ」という最も簡単な修理だということでダメもとで挑戦。

まず割れ目の両側5mmほどの部分の、表面の緑の保護膜をカッターで削り落とします。 その後ハンダで盛って繋いでやればOK。
・・・・・ のはずだったのだが、割れ目に若干隙間があったのでうまくはんだブリッジができず。 ジャンパー線で繋ごうにも間隔1mm以下に並んだ部分はどうにもうまくいかずで結局玉砕しました。

若干老眼が入り始めた目で拡大鏡なしでできる作業じゃありませんでした。
今年は絶対ヘッドルーペを買おう、と決心した新年の幕開けなのでした。

teac.jpg立て続けにヤフオクでTEACのジャンクカセットデッキを落札。 TEACのCシリーズはなんとなくプロ機材っぽい外観がなかなかカッコよい。
(上がC-3RX、下がC-3)

C-3は3ヘッドシングルキャプスタン、1979年に99,800円。 クリーム色のフロントパネルとラックマウントハンドルが特徴ですが、その後ブラックバージョンも出ていました。 ドルビーB内蔵ですが、別売りのdbxユニットを接続できるよう背面の端子はIN/OUTが装備されています。 入力レベルは左右独立ですが、内部にギヤがあって連動しています。
キャプスタンベルトは生きていましたが、早送りベルトが伸び伸びだったのでとりあえずバンコードで作成しました。

C-3RXも3ヘッドシングルキャプスタンの基本構成は同じですが、dbx内蔵。 1981年に126,000円。 C-3にdbxがついただけかと思いきや、メカ部はまったく別物で、キャプスタンベルトは共通ではありません。 早送りもベルトではなくローラーです。 カウンターベルトのみ共通部品でした。
キャプスタンベルトが溶けて切れていたのでTEACに聞いてみたら、ベルトはまだ手に入りました。 でも配送は年明けとのこと。 待ってられないのでとりあえず0.5mm厚のゴムシートとサークルカッターで自作したベルトに交換しました。
アイドラーローラーは表面が硬くなってスリップしていたので、ヤスリで表面をひとなで。 後でS-721Hが届いたら塗っておきましょう。
なおキャプスタンベルト交換はメカ全体をはずす必要はありません。 キャプスタンのホイールを抑えているプレートをモーターごとはずせば交換できました。

teac-c3rx.jpgどちらもすべて動作OK。
RXはこのdbxランプが効いてます。
なかなかしっかりしたメカと安心感のある音で、しばらくC-3RXがメインになりそうです。

lx3.jpgナカミチといえばカセットデッキで20万、30万は当たり前のメーカーで、高校生のころは憧れの対象にさえならない高級ブランドだった。 LX-3はその中でも廉価版。 でも「2ヘッドより3ヘッド、シングルキャプスタンよりデュアルキャプスタンのほうがエライ!」と信じていた高校生にとっては同じ値段で2ヘッドのLX-3は別の意味で購買意欲がわかないモデルだった。 
1981年、99,800円。 結局当時買ったのは、3ヘッドで798のLo-Dだった。

これはオリジナルオウナーがしまいこんでいた不動品をジャンクとして購入。 届いたときは再生できず、フロントパネルがかなり汚れてみすぼらしい状態だった。
とりあえずパネル全部はがしてバスマジックリン漬け置き&魔法のスポンジでこすりまくってやっと輝きを取り戻した。

lx3-2.jpgベルト類は切れてさえいなかったけど伸びてフリクションが足りなかったので新品に交換。 メカはキャプスタンアッシが両方とも固着していたので分解掃除。
メカの取り外しは結構簡単で整備性はいいのだけど、メカ自体はなかなか複雑。

すべての動作がスムーズになったのを確認。 音はなかなかクリアでいい感じです。 KA-7002に合いそうなのと外観の落ち着いたデザインにより、リビングで活躍してもらうことになりました。

sp3005.jpgうちのメインスピーカーは山水のSP-3005というものなのだが、これはかつての山水スピーカーの定番だった格子グリルの中でも最高峰(単に型番の数字の大きさでいえば、である ^^)。親父から引き継いで僕で2オーナー目である。
3年前にセッティングしたときに片方のホーンツィーターが2個とも断線していたので「埼玉音研」さんでコイルを巻きなおしてもらった。

ツィーターユニットが戻ってきたときずぼらこいてその2個を片方のボックスに収めてしまった。 左右のバランスの悪さが常々気になっていたのだが、40kg近いスピーカーを天井近くに設置してしまったのでなかなか入れ替えできずに放置すること数年。
意を決して交換することにした。

結果・・・

「へー、この曲ってこんな音が入ってたんだ~」
(今までどんな環境で聴いてたんだヨ、って感じですな orz)

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教訓:何事もバランスが大切です。

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参照→http://audio-heritage.jp/SANSUI/speaker/sp-3005.html

SLV_R7.jpg「年末だし何か出物がでてないかなー」と立ち寄ったハードオフでSONY SLV-R7をハッケン。
もちろん即捕獲。

これはソニーがVHS-ベータ戦争に負けて初めて発売した「SONY製(S)VHS」第1号なのである。
時は1989年、バブル崩壊なんてまだ誰も予想だにしない絶頂のころである。 よってこのキカイも当時の高級AV機器と同様、物量がしっかり投入されている。 
サイドには鏡面仕上げのウッドパネル、シャシの鉄板はシールドのため銅メッキが施され、中を見ても基盤やらメカがぎっちりと詰まった重量級。 TBCやLANCも装備。 オネダン¥185,000!

そして訪れるバブル崩壊に合わせ、この機種以降は次第に物量質ともに後退していった。 つまりSONY製VHS第1号にして最後の「バブルデッキ」となってしまったという、歴史に残るキカイなのだ。(ホントか?)


さっそく14インチブラウン管に繋いでみるとどこも問題なく動いている。 しかも画質が結構キレイ。
VHSも結構いけるじゃん、と調子に乗ってAquosの52インチで写してみたら、やっぱりそれは懐かしいVHSのクォリティなのでした。(って当たり前なんだけどね)

今更のS-VHSビデオデッキだけど、まだソフトもたんまりあるし今後このような贅沢なデッキが作られることも無いでしょうから、まあ良しとしましょう。

(なんたって定価の100分の1で手に入れたんだしね :-p)

HSK-100.jpgいままでトランジスタやコンデンサを基板から取り外す場合はソルダー・ウィックとかはんだ吸い取り機というポンプを使っていたのだけど、なかなかうまくいかず基板パターンまではがしてしまうことも何度かあった。 そこで思い切ってこれを購入。

正直言って「使いモンになるのか?」とっても心配だったんだけど・・・・
いやぁ、すごいですわ、これ。
「ハイブリッド」商品としてこれほどまともなものはほかに無いと断言してしまいます。
(といっても純粋に「はんだごて」として使うのは無理があります。)

廃棄する電気製品から手当たり次第に意味もなく半導体を抜き取ってしまいたい衝動に駆られます。
3700円也。

5020_2.jpgアンプをいじるようになっていろいろなウェブサイトを参照しているとやっぱり欲しくなるのがオシロスコープ。大昔に持っていたことがあるけど、もちろん今は持っていない。
で、オークションで買ってしまった。
今はデジタルだの何だので目ン玉飛び出ちゃうようなお値段のものもあるけど、オーディオで使うようなものは一昔もふた昔も前のもので充分。

さっそくAU-9900の波形をチェックしてみる、の図。
発振機は持っていないのでPCからオーディオIF経由で1kHzの正弦波を入れてみましたところ、ご覧のようになかなか見事なサインカーブが描き出されてちょっと安心。

オシロの正しい使い方や活用方法はこれから勉強していくとして、こうなると発振機やひずみ計、周波数カウンター、電子電圧計なんかも欲しくなってくるところだけど、何かと出費がかさむ時期なので、ガマンガマン。

au9900-1-3.jpgAU-9900(1号)を聴いた感想は、比較的おとなし目の音だなぁってところ。
KA-7002の澄んだ透明感のある高音に比べると、よくいえばマイルド&ウォーム、悪く言えばこもった面白味のない音。 個人的にはトーンコントロールで2kHzをちょっと持ち上げるとちょうどいい感じ。

これはKAに軍配かなぁ・・・ と思いながらアナログLPでコルトレーンのライブをかけてみると、定位が素晴らしいことに気が付く。 メンバーが少ないからわかりやすいってのもあるけど、「こっちにピアノ、こっちがドラム。で、ここにベースとサックスだよね」ってのがわかるんですね。 しかもスピーカーの幅以上に広がって!
さらに調子に乗ってボリュームをでっかくしてみたら、なんか全然違うじゃん!?
今までの比較的小さな音量とは性格がガラッと変貌して、30cm4ウェイ6スピーカーをびゅんびゅんドライブしている! しかも決してやかましくなったり、低音がぼよよんしたりしていない。 「これぞサンスイ」って感じで、汗や唾の飛び散るような熱気あふれるガッツリ骨太のJazzを聴かせてくれます。
ん~、これはやっぱりしっかりした電源とパラレルプッシュプルの効果なのだろうか....

昼飯の後はPCからEDIROL FA-101~ミキサー経由でネットラジオを流しながらついうとうと昼寝。 小音量だととっても心地いい感じのサウンドがGood。

 ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

という感じでAU-9900、結構、いや、かなり気に入ってしまいました。
2号のほうはすでにオリジナルではないしトランジスタも廃番で入手困難なものが多いので、あちこち手を入れてみようと思います。
どれだけ違う音になるのか、ちょっと楽しみ。


本日はついでに捨てられそうになっていたAIWAのラジカセ修理。
CD再生で雑音がするというので、だめもとでピックアップのレーザーの強度を調整したら結構あっさり治ってしまった。
代わりに買った安物の中国製ラジカセと比べると、雲泥の差。 なかなかいい音出してます。


いい音に包まれた休日。
ささやかなシアワセ ♪

au9900-1-1.jpg

さっそく2台のSansuiのAU-9900を開けてみることにする。

まず1台目。状態は「電源が切れないジャンク」とのこと。
テスターをあててみるとどうやら電源スイッチの不良だ。 スイッチを外すためにつまみ類全部はずしてフロントパネルをはがす。 ついでにアルミ削りだしのつまみ共々バスマジックリンで洗っておく。
電源スイッチを外して分解すると、案の定接点が溶接されちゃってる状態。 山水アンプにはよくあるようで、どうやらトロイダルコアトランスは電源ON時に一瞬でかい電流が流れるというのが原因らしい。 


結局このアンプは悪いところはスイッチだけだったので、一通りチェック~クリーニングした後でしばらく音を聴いてみようと思う。 バイアスとオフセットを調整してとりあえず完了。

au9900-1-2.jpg写真は2台のテスターでバイアスとオフセットを同時にチェックしながら調整しているところ。 オフセットは見事に0mA、バイアスは若干控えめにして40mVとしてある。

確認した限りでは修理歴もなく、フルオリジナルのようだが、それにしてもばかでかいトランスだ。 最近のオペアンプ多用の機器と比べると中身もぎっしりで手間がかかってる。 もし今同じものを作ったら、一体いくらの定価になるだろうか?

続いて2台目。こちらは特に大きな不具合はなく使用可能状態だったが、開けてみると修理歴あり。 あちこちの電解コンデンサーが交換されていたり、プリ段の2SA798のところが2SA1015の抱き合わせになっていたりしている。
ちょっと音だししてみたところボリュームにわずかにガリがあり、また最小にしてもLチャンネルに信号漏れがある。

以上のような状態なので、とりあえず1号をしばらくメインに使って2号を整備することにした。
TRIO KA-7002とKT-7000のコンビはしばらくリビングで活躍してもらうべく移動し、1号を接続。今夜は一晩通電して暖気しておく。

KZ> なんだかアンプ修理に味をしめてしまった感がありますが、ヤフオクやハードオフで
KZ> ジャンクアンプを買い込まないよう気をつけたいと思います。

アンプ復活プロジェクト-完了で書いた舌の根も乾かぬ間に、これだけのプロジェクトを抱え込んでしまいました。(自爆)

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■Technics SL-P990(CDプレイヤー) x2台
1988年発売 89,800円
→参照ページ
SLP990.jpg
もともと新品で購入して未だにノントラブルで動いているものと同じ機種のジャンクを立て続けに2台購入してしまいました。まぁ直せなくても部品取りになるし、安かったんで。
シャシベースが鉄の塊でずっしり重くて高級感があります。
CDプレイヤーには珍しくレベルメーターがついていたり、ジョグシャトルダイヤルで細かいサーチができるのもGoodです。


■KENWOOD L-03A(プリメインアンプ)
1983年発売 180,000円
→参照ページ
L03AJPG.jpg
先日までメインで使っていたKA-990Vの上位機種で、デザインはほとんど同じなのに10万円以上高い。もちろん当時は高くて手が出るわけないのだが、ジャンクを数千円で購入。
この辺の年代になるとICが使われていて、中には専用品も少なくありません。それらがイっちゃってると入手が難しい=修理も難しい。(コレ重要)

80~90年代はCDなどのデジタルソースがメインになり、アンプもスピード感とか解像度が求められてきます。 ユーザーの好みもいわゆる「ドンシャリ」傾向になって、それが製品にも反映されてきました(特にラジカセで顕著)。
私はどちらかというと、クリアーだけど聴いていて疲れないような音が好みです。でも低音の締りも大事。 そういう意味では先日修理したTRIO KA-7002などは結構いいセン行ってました。 たぶん70年代ベースで手入れするほうがあっているような気がします。


■Sansui AU-9900(プリメインアンプ) x2台
1975年発売 140,000円
→参照ページ
AU9900.JPG
サンスイのアンプはずっと気になっていたんだけど、X07シリーズはデザインがあまり好きではなく今まで所有したことがなかった。(デザインは結構重要!)
AU-9900の存在は知っていたけど、今回ネットで改めて見てそのかっこよさについふらふらと入札~GET。
ブラックフェイスにアルミ無垢削りだしのツマミに秒殺されてしまいました。ちなみにジャンク。
75年の大卒初任給が8万円位だったらしいので、今だと40~50万くらいの価値だったのでしょうか? 蓋を開けてみると何とも贅沢な作りです。 まだ何も手入れしていないけど、中身と言いデザインと言い各スイッチのタッチと言い、非常に満足度の高い、所有欲を満たしてくれるアンプです。
ディスクリートで組んであるので専用ICが手に入らなくて修理不可能ってことがほとんど無いというのもこの時代の製品のいいところ。

で、勢いでさらにジャンクをもう一台Get。(w

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バイクといいトースターといい、どうやら気に入った物は複数持ちたがる性格らしいです。
すでにL-03AとAU-9900はアメリカからサービスマニュアルと回路図を入手済みで、夜な夜なにらめっこしているのもまた楽しい。(ビョーキ?)

秋の夜長と年末年始はやることいっぱいなのです。

アンプ復活の勢いのままチューナー復活プロジェクトへ突入。

まずは状態チェック。
メーター照明の球切れ多数。セレクタスイッチの動作が硬い。全体的にキチャナイ。
でもそれ以外は問題なさそう。 ためしにアンプにつないでみたらAM受信はOK。
これは楽勝でしょう。

さっそくアキバでメーターランプを探すと、これがどこ行ってもないんですわ。モノは、ガラス管ヒューズと同じ形で8V 0.3Aのスタンレー製。
もし売っていれば数十円とかせいぜい100円程度なんだろうけど、10件ほど回ってどこいっても「もうそんなもの手に入らないよ」だの「見たことない」だのと冷たくあしらわれ。。。

普通の電球に改造しようかとも思ったのだが、せっかくなのでLED化することにした。


kt7000-1.jpg
右側はプロトタイプ。交流でちゃんと光るのか不安だったので・・・
左側が完成品。


kt7000-2.jpgこれにシリコンキャップをかぶせたものを5個作ってチューナーに入れたのがこれ。
なんかカニの目みたいでキモチワルイ。


kt7000.jpgで、組み上げて点灯するとこんな感じになりました。
電球だと緑がかった青だったのが、きれいなマリンブルーになって大変気に入っておりまする。
ただし両側の指針メーターは暖色のほうがほっとするので、切れていない球をそのまま流用しました。

・・・

ka-kt.jpgこれで約40年前にオヤジがそろえたトリオが揃いました。

上から、
先日修理した、TRIO KA-7002(プリメインアンプ)
今回修理した、TRIO KT-7000(FM/AMチューナー)
15年くらい前に買った、Technics SL-P990(CDプレイヤー)
数年前に中古で買った予備機、KENWOO KA-990V(プリメインアンプ)

パネルやツマミも全部はずして洗ったのでピカピカなのが気持ちEのです。

これにて一件落着と行きたいところですが、次の犠牲者は、Lo-Dのカットデッキになる予定。
皆様のお宅に、壊れた「高級」オーディオ機器がございましたら、「無料で」引き取らせていただきますのでご連絡ください(w


ka7002_2.jpg
この一週間会社帰りにほぼ毎日アキバ通いしてはパーツの買い込み。
プリ部はとりあえず問題なかったのでメイン部に対象を絞り、手始めにアイドリング調整とDCゼロボルト調整の半固定抵抗4個を交換するも相変わらず13V以上出ている。

次に初段トランジスタ4個を交換。→17Vに増えた。 orz
左右で同じようにDCが出るということは共通部分が怪しいということで、今度はブリッジダイオードを手持ちのS1VB20と交換。→平滑コンデンサへのDCが48Vから51Vへと増加してちょっと耐圧オーバーとなる。
ラジオセンターでIRの5B1という純正と同じもの(大昔に廃盤)を偶然見つけたので速攻Get。交換しておく。
メインボードの共通部分というと、DC安定化用らしいダイオードだ。
ダメもとで交換すると・・・ あっさり解決!
保護回路が解除されて、新品と交換しておいたスピーカーリレーが降りた!

DCゼロボルト調整を行うと、±数mV以内に追い込むことができた。
アイドリングは、0.47Ωなので21mVにセット。およそ45mAというところだ。
数時間の暖機の後再調整。
ばっちりだ。

早速スピーカーとCDプレイヤーを接続し、見事に音が出たときは感激しました。

・・・

ちなみにこのアンプは、銘石中の銘石として有名な、幻の「2SA649と2SD218」というトランジスタが使われています。自分で直したというプラシーボ効果とあいまって、なんともいい音を出してくれます。
クラシックギターの高音などは、秋空のように澄み渡るような透明感と温かみがあります。

そんなわけで数十年ぶりに復活したKA-7002とSP-3005(山水のスピーカー)のコンビ。この後さらにKT-7000というチューナーも手入れして、往年のトリオを再結成させる予定です。

なんだかアンプ修理に味をしめてしまった感がありますが、ヤフオクやハードオフでジャンクアンプを買い込まないよう気をつけたいと思います。

なーんて書くと私がいかにも電気の知識がありそうにきこえますが、実は今回の修理に関してはネットのBBSで多くの方に助言をいただきました。中には深夜にご自分のアンプを開けてテスターをあててくれた方もおり、本当に感謝感謝、また感謝、なのであります。あらためて御礼申し上げるしだいでございます。
(後で聞いたところ大阪や仙台の方もいらっしゃったそうで、本当にネットの威力というものを実感いたしました。)


ka7002.jpg
それにしても結局故障の原因が31円のツェナーダイオード一個とは・・・

(写真は完成後のメインボードと、今回交換した全部のパーツです)

ka7002_1.jpg

事の発端は覚えていないが(いつものことだが)、先週から新プロジェクト「40年前のオーディオアンプ復活プロジェクト」が始まった。

今回の犠牲者は、おいらが小さな子供のとき(1970年頃)に親父が購入した「TRIO KA-7002」というプリメインアンプ。 最後に使った記憶は10年以上前である。 確か症状は、
○ボリュームにガリ
○頻繁に左右どちらかの音が消え、ボリュームをグリグリ廻すと復活する
だったと思う。

割と楽勝かな~と、早速接点洗浄剤を買ってきてクリーニングし、CDデッキとスピーカーをつないで見たところ・・・

無音... orz

スピーカーリレーを開けて接点を磨くも・・・

無音。

試しにリレー前部の出力をテスターで計ってみたところ、

DC13ボルト!
(これじゃスピーカー飛んじゃいますって)

なんかヤバいことになりそうな悪寒がする、今日この頃。

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