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2009年7月アーカイブ

TCK-1KHZ.jpg先日修理したカセットデッキ、SONY TC-K555ESLの調整。
正式なリファレンステープは持っていないので、手元にあるデッキの中で一番信頼できると考えられるTC-K333ESLで録音したテープを使う。

まずは測定用テープ作り。
パソコンにインストールしてあるWaveGenからオーディオインターフェイス(EDIROL FA-101)~ミキサー(YAMAHA)~アンプ(AU-9900)経由でデッキへ正弦波を送って録音。新品テープをつかい、ドルビーはOFF。レベルは適当で良いんだろうけど0dbで。何種類かの周波数を1分程度づつ録音しておく。

出来上がった測定用テープを555ESLに入れ、今度は逆ルートでパソコン上のWave Spectraに送る。で、表示されたリサージュ曲線が写真の通り。
これは1kHzで測定しているところ。これが一直線に右上がりの45度になれば良いのだが、なかなかふらつきがあったりして難しい。この辺で妥協する。
ちなみに315Hzくらいだと一直線になるが、8kHzだと若干楕円が開き気味。まぁ我慢できる範囲内でしょう。


TCK-WOW.jpg次にワウフラッターの確認。
使用するのはKENWOODのFL-180という測定器。だいたい0.022%~0.025%というところで、何とかカタログ値程度は保っているのが確認できたのでオシマイ。

上記作業で333ESLと555ESLのテープスピード差もほぼ無いのも確認できた。さすが同年式のダイレクトドライブモーター同士というところかな?
マニュアルによるとほんとはもっとたくさんの調整ポイントがあるんだけど、売り物にするわけでもないしね。これでしばらく安心して使えるでしょう。

ジャンクによるジャンクのための素人調整、の巻き。
でした。(お粗末)

カセットデッキはすでに8台あるし、TC-K333ESLで結構満足はしていたんだけどやはり「銅メッキ」に惹かれてついジャンクを落札してしまいました。1990年発売、99,800円だそうで。


tck555esl-3.jpg底板まで施された銅メッキ!貫禄ですねぇ。しかもインシュレータは鋳鉄製。底板だけでも結構ズシリとした重みがあります。メカベースも分厚い金属(アルミ?)板で徹底した制震が施されています。

状態は「早送り/巻き戻しはできるが再生不可」というものでしたが、これは以前333ESLで経験済みなのでどこが悪いかも予想ができます。分解前にソニーSSでキャプスタンベルトとモードベルトを手配しておきました。
分解すると案の定モードベルトのスリップです。本来ならピンチローラーを外し、モーターベースを外して交換するのですが、テープパス調整が必要になるので前回同様ベースと基盤を緩めて隙間から交換しました。ついでにキャプスタンベルトも交換。モーター基盤の面実装コンデンサ2個も液漏れしていたので交換。もとは16V10μFですが、25Vにしました。場所的にはフライホイールの内側なので、あまり大きいものやリード式のコンデンサだと注意が必要です。
その他電源部などのコンデンサやダイオード、リモコン受光部などは問題なかったのでそのまま。
フロントパネルをオフィスクリーナーで掃除し、メーター/カウンターの窓とカセットホルダーのアクリル部の傷を仕上げコンパウンドでピカピカに消します。

tck555esl.jpgウッドパネルも大きな傷もなく、とってもきれいな良い状態です。昔録音したアレックス・デ・グラッシのテープをかけてみましたが、耳を澄ませばかすかに聞こえるヒスノイズを気にしなければ「これカセットの音?」というくらい、レンジの広いクリアーな音でした。
といっても基本的には333ESLと区別付きません。若干555のほうがパワフルな感じかな?まぁ気のせいでしょうね。


カセットデッキ修理は楽しいしデッキそれぞれに音にも構造にも個性があって面白いのだけど、冷静に考えれば自分の人生でこれ以上の数のデッキは不要です。
これ以上の増殖はちょっと控えようと思います。

昨夕会社帰りにコンデンサやらのパーツを買いに秋葉原のいつもの店に行った時の話。

店に入った瞬間、いつもと空気が違う感じを肌に感じる。奥に進むとそのわけがわかった。店内には5人ほど先客がいたが、なんとその中の3人が制服姿の正真正銘現役女子高生だったのだ。
その店は半導体・電子パーツ専門店なので普通はまずあり得ない光景だ。どうやら学校の課題か何かの回路図と部品表を手に3人で目的のパーツを探しているらしい。
そうか、このせいで他の客にも店員にもそこはかとなく緊張感のようなものが漂っていたか・・・・

やがて自分の目的のパーツを皿に取り集めているとその中の一人が声を掛けてきた。皿に取ったカーボン抵抗の抵抗値がわからなくなってしまって困っているという。
「んと、これは茶黒赤金だから1kΩ、こっちは4.7kΩ、これは330Ωだね」と教えてあげたら尊敬のマナザシでまっすぐ2秒見つめられてから、ぴょこんと頭を下げて「ありがとうございましたっ!」とお礼を言われてしまったヨ。(*=^^=*)
想定外のことだったもんでこちらもちょっと浮足立っていたのかもしれない。おかげで必要なコンデンサをひとつ買い忘れてしまったが。orz

それにしても抵抗のカラーコードが読めて女子高生に感謝されるなんて、多分この先一生ないだろうな。

(タイトルで変な想像された方、ゴメンナサイ。)
resistance.jpg

lhopkins.jpg1912年3月15日、テキサス州ヒューストンの北センタービルで生まれ、1982年1月30日、ヒューストンで癌により永眠(ライナーノーツより)。
1960年晩秋にニューヨークでレコーディングされた一連の曲は一聴の価値ありである。

CDP-557ESD~AU-9900(プリ)~6BM8超三極(パワー)~SP-3005という組み合わせで聴いているのだが、これが最近富みに豊かな音色を聴かせてくれている。「Conversation Blues」などはまるでそこで彼がギターを弾いて歌っているようなリアルさで鳥肌ものだ。

彼こそが本物のブルーズマンである。

→Amazon:The Very Best of Lightnin' Hopkins

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