我が家のトイレの壁には1枚の写真が無造作に画鋲で貼りつけられている。何の記事かは覚えていないが、雑誌から切り抜いたほんの5cmほどのモノクロ写真だ。その荒涼としながらもどこか人の気配が通う構図とか、紺碧の(あるいは深紅の?)空と白い雲のコントラストに惹かれて、なんとなく捨てることもできずに15年以上も貼り付けられたままになっているのだ。おそらくその数年前にオートバイでアメリカを横断したときの記憶に重なるところがあったんだと思う。
ところが、たまたま見ていたTV番組のなかで、アリゾナ州のセリグマンという小さな町の土産物屋の爺さんがインタビューを受けているシーンの背後の壁に、なんとこの写真のポスターが飾ってあるのを発見してしまった。早速インターネットで検索すると、はたしてこのみやげ物屋はちゃんとウェブサイトを持っていて、このポスターもしっかり紹介されているではないか!
そんなわけで苦節(というか、放置)十数年、やっと愛しの写真を手にすることができた。いつかちゃんとした額を手に入れたら、ふさわしい壁に飾ろうと思う。
なおその後もトイレの切り抜きは飾られたままである。実は一度外したのだが、どうもあるべきものがなくて淋しい気がするのである。
※このみやげ物屋のサイトはここ。ポスターはここに売っている。TVでインタビューを受けていた爺さんの写真はこのページの一番下にある。
全く関係ないけど、1953年のトースターについてはこちらを参照のこと。
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