先日手入れしたシルバーボディと同じ年式のブラックボディ。イメージ的にいえば、インテリジェンスのシルバーに対し精悍でワイルドなブラック。どちらも捨てがたい。
シルバーボディのところにも書いた映画「ワンス・アンド・フォーエバー」の中でギャロウェイ氏が使っていたのも確か黒のフォトミックだったが、あちこち塗装が擦り切れて下地の真鍮が見えているのがいかにも貫録があってカッコよかった。
他にもクリント・イーストウッドとメリル・ストリープのいぶし銀の名演「マディソン郡の橋」でもニコンFが欠かせないアイテムとして度々登場している。
「ワンス・アンド・フォーエバー」の舞台となったイア・ドラン渓谷の戦いは1965年なので時代考証的に言えばフォトミックかフォトミックTだろうし、「マディソン郡の橋」でロバート・キンケイドが使っていたのはパンダ(シルバーとブラックのミックス)アイレベルだったが、個人的な好みと価格相場的なバランスを考えると、Fに関してはやはり「FTn」がベストチョイスなのだ。
ところで余談だが、どちらの映画も時期的には1965年の秋の数日間の物語りである。片や地獄絵図の戦場、片やアイオワののどかな田舎という対極に位置する両舞台で名演するニコンFはやっぱり名機だと思う。
アカデミー賞に「助演小道具賞」ってのは無いものだろか?
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