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Nikon F フォトミックFTn (1970年シルバー)

img903s.jpg高校生の頃友人にアイレベルのFを借りて使った時以来だから30年ぶりだ。
今回入手したのは露出計付きのFTnだが、個人的にはこっちの方が好き。この頭でっかちなところが「イイ!」のである。

届いたものをチェックしてみると、説明されていた通りミラーの具合が良くない。ミラーが下がった位置で固定されず、次の巻き上げと同時にアップしてしまうのだ。
サービスマニュアルや文献と見比べながら観察すると、マウントからボディ内側を覗いて左側面にあるフック(ミラーが降りた位置で固定するカギ)の動きがスムーズでない事が判明。
注射器でベンジンを軸に垂らして動かしてみるも改善されない。
さらに観察すると、ミラーが下りるより早くシャッターボタンを離せばミラーが下りるショックでフックも戻っているので原因は潤滑不足と断定。

カメラの潤滑にはラウナ油というものをベンジンで薄めて使うらしいが、このラウナ油というやつは目薬くらいのちっちゃなビンの癖に1500円以上もする。結局ホームセンターで普通のスピンドルオイルを買ってきた。ラウナ油の8倍も入って500円である。余ったら自転車のチェーンやドアの軋みにでも使えばいい。
これをベンジンで適当に10倍に薄めて(スポイトで油1滴、ベンジン10滴である。たったこれだけ。というかこれでも多すぎなのだが)注射器でフックの軸にかすかに一滴垂らすと・・・ スコンスコンと気持ちよくフックが戻るようになり、ミラーアップ問題はあっさり解決した。
ベンジンが揮発するのでレンズを外しミラーアップ状態で一晩放置しておしまい。

こんなんでいいのかな~?と思うが、こう考えることにしよう。

例えば「ワンス&フォーエバー」という映画に出ていた戦場カメラマン、ジョー・ギャロウェイがベトナムでもし同じ故障に陥ったとしたらどうするだろう?
きっとジープからオイルを抜きガソリンで薄めてアーミーナイフで垂らす違いない。そしてその後もおそらくニコンFは何食わぬ顔で働き続けることだろう。

それに比べればなんてまともな修理なんだ! わはは。

相手は頑丈さで知れ渡る世界のベストセラー、ニコンFなのである。
そういう意味ではエンジンオイルの代わりにサラダ油でも走れるスーパーカブみたいなもんさ。

(良い子は真似しないでください)


※ニコンのサイトにある、ジョー・ギャロウェイ氏のインタビューページ
http://www.nikon-image.com/enjoy/interview/talk/2002/02sp2/

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このページは、が2012年2月14日 23:24に書いたブログ記事です。

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