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2012年5月アーカイブ

Doc_Watson.jpgまた悲報が舞い込んできた。

中学生の時に「Doc Watson」というLPを買って以来のアイドルだった。
フォークギターと言えば歌の伴奏くらいしか知らなかった中学生にとって初めて聴く「ドックズ・ギター」そして「ブラックマウンテンラグ」は、しばらく言葉が出なくなるほど衝撃的だった。
そして後に、そのアルバムのジャケット写真でドックが抱えていたのと同じマーチンD-18を手に入れた。初めて手に入れたマーチンは32年たった今でも手元にあり、いい音で鳴っている。

ドックのトレードマークと言えば波型のヘッドが印象的なJ.W.Gallagherのギターだ。
ナッシュビルの「カントリーミュージック・ホール・オブ・フェイム」に行けば、今でもエルビスの金ぴかキャディラックと対象的にひっそり佇む、ドックの愛用したギャラガーG-50モデルを見つけることができるはずだ。
そのギャラガーの工房を訪ねてテネシー州まで行き、特別に作ってもらったドックワトソンモデルももうじき20年になる。
その時ギャラガー家に泊めさせていただき、おばあちゃん(初代J.W.の奥さん)や2代目Donの子供たちと楽しく過ごしたことは今でも良く覚えている。

 ・・・・・

ギターのパートナーでもあった最愛の息子を事故で亡くし、晩年は孫とステージに立っていた盲目のギタリスト。
今はまた天国で息子と一緒にギターを弾いていることだろう。

決して洗練された音じゃなかったけど、あの人間味あふれる暖かい音色が好きだった。

NikonF_1970.jpg先日手入れしたシルバーボディと同じ年式のブラックボディ。イメージ的にいえば、インテリジェンスのシルバーに対し精悍でワイルドなブラック。どちらも捨てがたい。

シルバーボディのところにも書いた映画「ワンス・アンド・フォーエバー」の中でギャロウェイ氏が使っていたのも確か黒のフォトミックだったが、あちこち塗装が擦り切れて下地の真鍮が見えているのがいかにも貫録があってカッコよかった。
他にもクリント・イーストウッドとメリル・ストリープのいぶし銀の名演「マディソン郡の橋」でもニコンFが欠かせないアイテムとして度々登場している。
「ワンス・アンド・フォーエバー」の舞台となったイア・ドラン渓谷の戦いは1965年なので時代考証的に言えばフォトミックかフォトミックTだろうし、「マディソン郡の橋」でロバート・キンケイドが使っていたのはパンダ(シルバーとブラックのミックス)アイレベルだったが、個人的な好みと価格相場的なバランスを考えると、Fに関してはやはり「FTn」がベストチョイスなのだ。

ところで余談だが、どちらの映画も時期的には1965年の秋の数日間の物語りである。片や地獄絵図の戦場、片やアイオワののどかな田舎という対極に位置する両舞台で名演するニコンFはやっぱり名機だと思う。
アカデミー賞に「助演小道具賞」ってのは無いものだろか?

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