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2007年9月アーカイブ

他のプロジェクトもひと段落したのでフラメンコギターの製作に取り掛かろう。
前作とはボディの形が違うのでソレラ(型板)から作り直しである。

前回使った30mm厚のラジアタパイン集成材があまりに重くて取り回しに苦労したので、今回は無難に18mm厚の合板(コンパネ)を使用することにした。
慎重にけがきを入れてジグソーで周囲の不要な部分をカットし、表面を仕上げてから砥の粉で目止め~シェラック塗装して完成。


ボディのブリッジ周りの窪みとネック部の傾斜がわかるだろうか?

実際の制作過程ではこのソレラの上にギターがうつぶせになるような格好で組み立てていくわけだが、これらのおかげでボディ表板がドーム状に3mm盛り上がり、ネックが順反り方向に3mm起きた角度でギターが完成するって寸法なのだ。

2日でできた割には前回より完成度が良い。
なんとなく良いギターができそうな予感♪

YouTubeにこんなムービーがありました。
写っているのはうちの53年/49年製と同じT-20ですが、自動的に「ゆっくり下りて、ゆっくりあがる」動作がよくわかると思います。
こうやってみるとトースターがまるで生き物のようにパンを吸い込んだり吐き出したりしてるように見えますね。


The Sunbeam Toaster


ついでにこんなものもありました。

Grandma's Toaster

我ながらアホだと思うのだけど、ヤフオクでジャンクのサンビームをまたもやGETしてしまいました。
仕事から帰るなり梱包を解いておもむろに分解開始。

先日修理した1953年のトースターと基本的な構造や仕組みは一緒。オークションの説明では「電源が入らないため使用できません。ジャンク品。」との事でしたが、あっさりと不良箇所が判明し、30分で修理完了。内部を見た限りではおそらく数回しか使用していないと思われるくらい綺麗な状態。おそらく80年代後半から90年代の製品だと思う。

53年製T-20Bと比べると、ボディの曲線が微妙に異なります。こちらの方がほんの気持ち曲線がゆるい。たぶん並べてみないと気が付かないくらいですが、角ばってます。また持ち手の黒いプラスチック部分の形状も異なります。
内部構造はほとんど同じですが、調節ノブがスライドレバー式になり内部もリンケージが増えてます。ボディ両脇の部分もリベット止めで外れませんので、心臓部ともいえるサーモスタット周りの手入れがやややりにくくなっています。
底のパンくず掃除窓に調節ネジ用の穴があけられ、説明の書かれたステッカーが張ってありました。
それなりに進化(?)はしているようです。
こんなによくできたトースター、何で生産中止になってしまったのか不思議です。


さっそく1枚焼いてみたところ、パーフェクトなトーストが焼きあがりました。

1992年夏のアメリカツーリングの際に何日かホームステイした、カリフォルニア州フレズノという古い町の牧場主ドグさん宅にあったトースター。結婚したときから40年使われてきたそうだがまだ現役。そのなんともいえない曲線とピカピカめっきの美しい姿に一目惚れしてしまった。
時は流れて2002年、ふとしたきっかけでアメリカのオークションサイト「e-bay」で見つけ、ミネソタ州の方から譲ってもらったのがこの「Sunbeam T20B」である。

届いてからしばらくは順調に働いてくれたのだが、やがて動かなくなりキッチンの片隅でホコリをかぶっていた。今回のプロジェクトはこいつの再生である。

まずはホコリを落としてみると外観は結構きれい。メッキの質はものすごくいい。
底のパンくず掃除用の蓋を開けてみると「06.1953」というスタンプが押してあった。1953年6月製ということだろう。
ところが分解してみると・・・・

廃墟の工場の中に見捨てられた機械のような、ありていに言えば「錆びた鉄くず」状態である。
パンを入れる部分も積年のパンくずやホコリ、油、錆でまっくろ。これではちょっと、食べ物を入れたいとは思わんなぁ。

徹底的に分解し、ワイヤーブラシやドライバーの先でこびりついた汚れを落とすのだが、このトースターはそこらのものとは違ってかなり複雑な構造である。
普通はレバーを押し下げてパンを下ろし、焼きあがると「チン」とかいって勢いよく飛び出すのが普通だと思うが、このサンビームはパンを入れると「自動的に、ゆっくりと」降りて行き、焼きあがると「自動的に、ゆっくりと」せりあがってくる。つまりレバーなどが一切無い。
この複雑且つユーモラスな動作のためリンケージも結構微妙で複雑だ。たまたま手に入った当時のサービスマニュアルが無かったら、しくみを理解するのに結構悩んだかもしれない。

各部の絶縁ワッシャに雲母(マイカ)が使われているが、これがまたぺりぺりと崩れやすい。壊さないように緊張しながらの作業である。ショートさせて火事を起こしたくはないからね。

そして作業開始から4日目、やっと組みあがった。一応各部をテスターで測ってショートしていないことを確認しておく。
自動車用仕上げコンパウンドで磨くとご覧の通りのピカピカ。なんて美しいんでしょう。
パンを差し込んでみると、ゆっくり下りて行き、ニクロム線が赤くなる。ちょっと感激。
数分後、こんがり焼きあがったパンがするすると上に上がって・・・・ こない。
やがて煙がもくもくと立ち始め、仕方なくコンセントを抜いて救出したパンはすでに炭だった。 orz

焼き加減ノブを調節し、再挑戦。
今度は成功!
1000Wの火力で焼くパンは「外はカリカリ、中はもっちり」で、トーストの香ばしさの中にもしっかりとパンの味がする。
パンの質さえよければバターも塩も何もいらない。これぞトースト、なのである。

さて、このトースタが生まれた1953年とはどんな年であったのか。
(もちろん僕が生まれるずっと前であるよ)

○日本でテレビ放送が始まる
○朝鮮戦争終結
○映画「ローマの休日」公開
などなど。

この頃のアメリカ製品は車にしても自動販売機にしても「重くて、頑丈で、でかくて、まるい」イメージだが、その精神はこのトースターにも受け継がれている感じがする。メッキの化粧板もペナペナステンレスではなく分厚い鉄だし、メッキは50年以上経った今でも新品のような輝きで、その曲線は限りなく美しい。ある意味「ギミック」ともとれる構造は、何でもかんでも便利な自動化に向かっていた当時の世相の反映かもしれない。
「古きよき、強きアメリカ」のニオイがぷんぷんするのである。

このSunbeam T20シリーズはその後T35となり、T40を経て1990年代まで生産された。(このあたりはこちらのページに詳しい。http://www.automaticbeyondbelief.org/dating.htm)

実はうちにもう1台、1949年製のT20初期型がある。
近いうちにこちらも復活させたいと思っている。

ところで「1953年のトースター」というタイトルはもちろん、「1973年のピンボール」という村上春樹氏の小説のパロディのつもりである(笑

・・・・・・・


ランタンがあまりに良い子だったのでケースを作ってあげました。
娘の夏休みの宿題を兼ねてます。


中はこんな感じ。


上下2箇所の押さえ板を半分引き出してます。これで抑えるとびくともしません。
引き出しには予備のマントルやパーツ、工具をしまえます。

中学生の宿題にしちゃできすぎかな・・・

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